糖尿病、重症化予防はIoTで

予備軍を含めれば罹患者数は約2000万。人口1.2億強の日本において、それほどに深刻な問題となっている。進行すると網膜症、腎症、神経障害などの合併症リスクが高まり、健康寿命を短縮させる最も重大な疾患の一つとなっている。

糖尿病はその特性上、患者の行動変容が治療に重要であることが知られていて、これまで電話や対面による生活療養指導の有用性が報告されている。いくつかの臨床研究において、ウェアラブル機器などIoT(モノのインターネット)を活用した自己モニタリングにより患者の行動変容を促進し、血糖コントロールの改善が認められることも報告されている。

しかしどの研究も症例数が少なく、観察期間も短いため、IoTの有用性を証明できる質の高い臨床研究が必要だという。国立国際医療研究センターと、エス・エム・エス、みずほ情報総研は、日本医療研究開発機構に採択された、IoT等活用生活習慣病行動変容研究事業の一環として、今年3月1日から段階的に複数の企業健康保険組合を対象に、「ウェアラブル機器等を活用した管理栄養士伴走による健康改善介入研究」を開始する。

同研究事業では、日本糖尿病学会主導のもと、HbA1cの値(血液中の総ヘモグロビンのうちブドウ糖と結びついたものの割合)が6.0%以上8.0%以下の参加者およそ150名(糖尿病予備群と2型糖尿病患者)に対し、遠隔での健康改善指導サービスを提供――ウェアラブル機器等から取得した健康情報をベースにして、スマホアプリからのメッセージ等による介入を行う。

期間は1年。専門医監修のもとスマホアプリの活用と、管理栄養士など医療従事者の積極的な介入とにより、行動変容や血糖コントロールへの効果を検証する。科学および統計で証明する「臨床研究フィールド」と、新たなモデル開発につながる「サービスモデル研究フィールド」とにより、医学的、科学的なエビデンスの創出を目指すという。