国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)は990点満点。バイリンガル米国人と、トリリンガル・カナダ人が受験して、800点台だった。外資系企業であっても海外赴任経験者や翻訳・通訳担当者など、ごく少数の日本人だけが900点オーバーであったと当編集部員は記憶している。
TOEICがすべてではない。大いなる指標にはなる。英語に関して、語彙や文法、構文も確実に理解せずに860点以上はとれないというのだから――。特に日本では、企業の国際化が進んでいる近年、国際共通語の英語をはじめたした外国語を使う能力の向上が課題となっている。最新情報を送受信したり、先端技術を研究開発したりする際にも翻訳力が生産性を左右する。
しかし人力による翻訳作業では費用と時間が多大となる。ネットの無償サービスでは利便性や専門用語の翻訳能力が不足するなど、企業ニーズを満たすことは難しい状況だという。NTT Comは、人工知能(AI)による超高精度の自動翻訳を実現する「AI翻訳プラットフォームソリューション(AI翻訳PF)」の提供を、今年3月1日より開始する。
「AI翻訳PF」は、グループ企業のみらい翻訳がNICTと共同開発した翻訳エンジン「COTOHA Translator™」を採用していて、最新のニューラルマシントランスレーション技術と、膨大な文例の学習によって、超高精度の翻訳が可能。評価実験では汎用的なネット翻訳の値を約14%上回り、人力翻訳との比較でもTOEIC900点レベルの被験者と同等の平均点に達したうえ、人間の平均7時間に対して約2分以内で訳出――精度と速度を両立した圧倒的パフォーマンスを実現したという。
ほかにMS OfficeやPDFファイルをそのまま翻訳、社内および専門用語の辞書登録や「corevo® 」による学習チューニングを行える、AI翻訳PFは今後、中国語など他言語への対応を予定している。