中堅・中小企業におけるサーバ/ストレージ関連の最新動向

ノークリサーチは2018年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントのうち、サーバ/ストレージに関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。2018年は、オンプレミスのサーバ/ストレージ環境における柔軟性・拡張性が進展するという。

同社によると、「中堅・中小企業が今後のサーバ/ストレージ導入においてクラウド(IaaSやホスティング)とオンプレミスのどちらを選択するのか」は2018年も引き続き重要なテーマの1つであるという。

オンプレミスおよびクラウドのサーバ環境を導入済みの企業に対して各々の選択理由を尋ねた結果、オンプレミスを選択した理由としては「データ保護の観点から、業務システムを社外に出せない」が最も多く挙げられており、データ内容がクラウド/オンプレミスの選択に大きな影響を与えていることが確認できる。さらに重要なのは「クラウドに移行したいが、何から始めたら良いのか分からない/どのサービスが良いか判断できない」といった項目の回答割合も高い」点だと指摘する。

一方で、クラウドを選択した理由を見ると「アクセス数の増減/処理性能の増減/データ量の増減に迅速・柔軟に対処できる」といった項目が多く挙げられている。これらの結果を踏まえると、オンプレミスを選択したユーザー企業においてもクラウドの特徴である拡張性に対するニーズが存在している可能性が高い。逆に言えば、オンプレミスにおいてもクラウドと同等の拡張性を実現できれば、サーバ/ストレージ導入の選択肢も広がってくると説明する。

通常、新しいIT商材の導入は年商500億円以上の大企業およびそれに近い傾向を示す年商300~500億円の中堅上位企業層が先行し、それよりも年商規模の小さな企業層には徐々に時間をかけて波及していくことが少なくない。だが、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)に関しては、幅広い年商帯で普及の兆しが見えてきているという。

また、「SDx」の流れはサーバだけでなく、ストレージにおいても進みつつあると分析。「SDS(ソフトウェア・ディファインド・ストレージ)」は、HCIの基盤としての役割に加えて、中堅・中小企業におけるストレージ導入にも影響を与えると予想される。中堅・中小企業では全体のデータ量に比べてファイルサーバの合計台数が多い状況が少なからず見受けられる。これはサーバ機器の価格が下落した際に、部門別や用途別にファイルサーバが乱立したことが主な要因だという。今後、蓄積されたデータを適切に活用するためには、業務システムのデータ整理と合わせてファイルサーバの統合を行っていく必要がある。