手書き帳票AIでOCR変換

昨今、経済新聞紙上で特集が組まれるほど、AI(人工知能)は存在感を増している。ビジネス、社会のしくみ、働き方や生活を一新あるいは刷新するツールとして期待され、実用化も加速している。

AIをこの国の科学・産業の発展に資すると定めている政府主導の「働き方改革」に、労働生産性の改善が謳われている。けれども実際の職場を見ると、いまだに手作業で交通費の精算をしていたり、各種申請や報告を紙で行うことをルールとしていたり――手書き書類があるために、デジタル化や業務プロセスの改善が迅速かつ十分に進められない、負のスパイラルから抜け出せないところもある。

そこでビジネスフォームやデータ・プリント・サービスなどの分野で培ってきた技術やノウハウをベースに、顧客の情報伝達を最適化するソリューション事業等を展開しているトッパン・フォームズは、昨年2月に資本・業務提携したコージェント ラボ社の手書き文字認識AIエンジン「Tegaki」を活用した「手書き帳票AI-OCR変換サービス」の提供を、今年4月に開始する。

同サービスは、帳票設計やBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)における情報入力業務などでのノウハウを活かした、手書き文字の効率的な認識とOCR精度向上を実現する前後工程の処理をパッケージ化。これにコージェント ラボのAI技術を組み合わせて開発した業務アプリケーションであり、顧客の手書き文字入力業務の大幅な効率化に貢献するという。

「クラウドモデル」「オンプレミス+クラウドモデル」「BPOモデル」の3種が用意されている。今回のサービスは、金融機関の各種手書き申込書や税公金に関する各種帳票、生損保会社の保険請求書類、通販会社のギフト申込書、物流会社の運輸伝票などの手書き帳票を中心に提供。そして、これにより構築したものを他のAIや辞書DBと連携させ、ハイブリッドAIプラットフォームへと発展させる構えだ。