企業・団体向けストレージシステム市場は3000億

記憶、演算、通信――現代のIT(情報技術)システムはこれら3機能が揃っていないと話にならない。スマホやウェアラブル端末はもとより、企業や団体が使うエンタープライズ級の業務システムであっても、突き詰めればこれら3要素への投資となる。

メモリ/ストレージ、プロセッシング/コンピューティング、ネットワーク/コミュニケーションといった分類もできる製品およびサービス群の中で、きょう、IT専門調査会社のIDC Japanは、国内エンタープライズストレージシステム市場(外付型、サーバ内蔵型、ODM Directを含む)について、主要産業分野別予測のアップデートを発表した。

昨年上半期の実績を反映した結果だという。'17年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は2,988億2,800万円と予測。官公庁/自治体における支出減などにより、前年比成長率がマイナス2.3%で、'16年に続きマイナス成長になるとみている。そして'21年、それまで年間平均成長率(CAGR)0.2%で推移し、同市場規模は3,084億1,700万円になると予測している。

'21年に支出額が300億円を超える主要分野は、額が多い順に金融、製造、情報サービス、通信/メディア、官公庁/自治体の5つであった。予測を'16年実績と比べれば、情報サービスでの支出増と官公庁/自治体における支出の抑制のため、それぞれの順位が入れ替わっている。

情報サービスでの支出増は、他分野におけるストレージ需要がクラウドサービスへより一層シフトすることで発生。このシフトにより、クラウドサービス事業者を含む情報サービスにおける支出が増加し、他分野の支出が抑制される。一方で支出増加がみられる情報サービスにおいても、規模の経済を追求するため外付型からODM Directやサーバ内蔵型へのシフトが進むと考えられるという。

詳細は同社のレポートにて確認できる。