金融×IT(情報技術)のフィンテックが注目されている。近年、その背景にはスマートフォンの普及がある。ユーザーはさまざまなサービスをそれで済ませたいし、サービス提供者はそれを用いてビジネスの拡大や顧客満足度の向上を図ろうとしている。
金融業界においては生活者の利便性や業務効率化の観点から、フィンテック関連のサービスが広がっている。そして金融機関では、実店舗のみならずサイバー店舗でも、顧客との的確で効率的なコミュニケーションが求められているという。DNPは、口座開設やローン等の各種申し込み、利用明細や残高の確認など、複数の金融サービスをスマートフォン上で行える「DNP金融向け総合アプリ」を開発。これを今月から提供開始すると発表した。
同社は、ICカードの製造・発行等で培ってきた情報セキュリティ技術を強みとして、AI(人工知能)の活用やデジタル化、ペーパーレス化などによる業務効率化、顧客サービス向上などに貢献する多彩なソリューションを提供していて、各種フィンテックサービスが多くの金融機関で採用されている。
今回、生活者の利便性をより高めるために開発した、各種金融サービスをスマホで一括利用できる上記アプリは、地方銀行で初めて顔認証機能を組み込んだ金融機関向け総合アプリとして、香川銀行に採用されたとのこと。
金融機関のサービスを拡充する同スマホアプリは、ユーザーにとって、安心の顔認証技術によってIDやパスワード入力の手間を省くことができる。ほかに、家計簿の作成や、AIを活用した「チャットボット」サービスの提供などを受けられるようになったり、入出金があった際にそれが自動通知されるといったメリットがある。