自宅でも職場でも、わたしのクルマは覚えて自動駐車

まっすぐ行くのは得意だけど、駐車場では何度も切り返しをする。という人だけでなく、様々なドライバー、そしてその家族が自動運転技術の実用化を待っている。自動運転は走行中に限らないし、社会基盤の整備を必須とする無人化のみがゴールでもない。

近年、駐車時の操作ミスによる自動車事故が社会的な問題となっている中、人為的な操作によらない安全な自動駐車技術の早期普及に期待が寄せられている。こうした声に応えるために開発したという、日立オートモティブシステムズとクラリオンはきょう、利用頻度の高い自宅や職場などの駐車場周辺環境を記憶する自動駐車技術「Park by Memory」を発表した。

同技術は、クラリオンの外界認識技術と日立オートモティブシステムズのステアリング、ブレーキなどのアクチュエーターおよび車両統合制御技術を連携させて実現――。車両の前後左右に装着したクラリオン独自のカメラシステム 「SurroundEye®」による俯瞰映像と、ソナー信号による周囲構造物の検知情報、さらにGPSによる位置情報を統合することで、駐車周辺環境と駐車パターンを記憶する。

高精度な画像認識情報を活用するため、白線で区切られただけの駐車スペースをはじめ、さまざまな形状エリアでの任意の駐車スペースに自動駐車することができる。「Park by Memory」搭載車両は、記憶した駐車場に近づくと、自動駐車可能であることをドライバーに通知し、車内もしくはスマートフォンアプリのボタンをドライバーが押下する簡易な操作だけで自動駐車する。

専用の位置情報システムではなく、一般的なカーナビゲーションのGPS情報が使えるため、導入が迅速かつ容易だという。
両社は今後、自動車メーカーなどへの提案を通じ、今回発表したシステムの早期実用化をめざす構えだ。