一昨年にその元年と呼ばれた。仮想現実(VR)は拡張現実(AR)とともにゲームだけでなく街中イベントなどにも広がった。昨年は教育や技能実習、設備の保守点検等のガイド役としてもその技術の活用が進んだ。そして今年は――
年明け早々に、ゲームなどの仮想世界で触感を疑似体験できるツール「「UnlimitedHand®」などを製造販売しているH2Lと、東レと共同開発した機能素材「hitoe®」の評価技術を保有しているNTTが、VRやARに自然な触覚共有体験を与える触感型インタフェースを開発したと発表。
現行UnlimitedHandは、モーションセンサと筋変位センサアレイ内蔵端末を巻きつける、腕への刺激により手の筋肉を収縮させて擬似触感を与える電気的筋肉刺激(EMS)コントロール技術を応用する、ゲーム開発者向けのデバイス。一般的なEMS製品と同様ハイドロゲル電極を使用していて、肌に粘着する不快感、乾燥による硬化や接触電気抵抗の増大による交換等の手間、洗浄不可で不衛生などの理由により、万人の満足感を得られなかったという。
NTTはhitoeをゲル電極の代替とするための電気的評価を支援。H2LはhitoeをUnlimitedHandへ実装して上記課題を解消――。爽快な装着感、乾燥による劣化なしに長期使用が可能、100回以上の洗濯耐性による衛生面の向上などのメリットを実現し、ユーザへ高い満足感を提供できることとなった。
さらに、各人の肌状態により十分な疑似触感が得られないゲル電極とは違い、同動作条件下でも使用できる。触感呈示性能を飛躍的に向上することに成功。これらの改善効果により、プロ・ユーザのみならず、一般ユーザにも利用してもらえる道が開けたという。hitoe®×UnlimitedHand®によるVRテーマパークを想定したアプリケーションは、今週ラスベガスで開催の「CES2018」で披露される。