次世代の自動運転実験車をCESで公開、トヨタ米子会社

トヨタ自動車の子会社で、米国で人工知能の研究開発を行うToyota Research Institute(以下、TRI)は、次世代の自動運転実験車「Platform 3.0」をネバダ州ラスベガスで開催されるCESに出展する。

TRIでは新しい自動運転実験車の開発に当たり、3つの主要なテーマを掲げている。
(1)外部認識能力を向上させ、数ある自動運転車両の中でも業界をリードする性能を持つこと
(2)センサー類をクルマのデザインと調和させ、スマートで美しい外観とすること
(3)自動運転技術に関する装備類を一体のパッケージとしてまとめ、複数の実験車を容易に製作できるようにすること

Platform 3.0では、テストを通じて自動運転技術の装備をコンパクトにパッケージ化し、センサーの設定をより明確化。車両周囲の認識能力を引き上げることで、自動運転のパフォーマンスレベルを引き上げたという。実験車は、多数のセンサーを搭載し、現存する各メーカーの自動運転車両の中でも、最も認識能力の高い実験車の一つといえる。米Luminar製の200mの監視が可能なLIDARシステムにより、従来のTRI実験車では前方のみの認識が可能だったものを、この実験車では外周360度の認識が可能な仕様とした。4つの高解像度LIDARにより、暗い色の物体を含めて車両の周囲の物体を正確に検知できるようになっている。

また、短距離LIDARを車両の下部の全周に配置。実際には、フロントフェンダーの両側、また前後バンパーの四隅に装着している。これらのLIDARにより、子どもや道路上の障害物など低く小さい対象(物)を検知することが可能。将来画期的な技術が導入可能になった際に取り込むことができるようにフレキシブルな設計となっているのが特徴だ。

さらにTRIは、米CALTY Design ResearchのメンバーとToyota Motor North America Research & Developmentのエンジニアのノウハウを取り入れ、センサーやカメラ類をコンパクトにまとめ、外観からは見えない工夫を施している。