自動運転車の安全な走行を実現するには、自車位置把握のための様々な道路構造物情報の正確な把握と、気象情報や事故・渋滞情報などの動的情報を取得して組み合わせる「ダイナミックマップ」の生成が必要となる。ダイナミックマップは、車の自動運転や運転支援システムに必要となる高精度の3次元情報を持つデジタル地図。
このダイナミックマップには、自車の走行経路を認識しながら遠方の道路状況をリアル
タイムにフィードバックするシステムの構築が欠かせないという。KDDI、ゼンリン、富士通はダイナミックマップの生成に必要なデータ収集、データ分析・加工、データ配信技術の実証を行う。実証実験においては「4G LTE」、次世代移動通信システム「5G」の活用を検討する。
実証実験では、将来の完全自動運転時代のダイナミックマップのためのデータ収集・生成・配信基盤を構築。構築した基盤にて、動的情報と道路構造物の高精度地図とを連携させてデータ生成する処理性能や、配信に要する時間などを検証する。
KDDIは、一定間隔で生成される車載カメラやセンサーのデータを確実かつ効率的にアップロードするための車載通信モジュールとネットワークを検証する。また逐次アップデートが必要な動的情報や地図データの差分情報などを必要とする、対象車輌に確実かつセキュアに配信する方式と最適なネットワークの検証を行う。
ゼンリンは、動的情報との連携や逐次・差分更新を可能とする高精度地図データの提供、提供プラットフォーム「ZGM Auto」の検証を行う。富士通は、コネクテッドカーから得られるプローブデータなど大量の動的情報を収集し、高精度地図と動的情報の紐付けや車両へのリアルタイムデータ配信などを行う「Mobility IoT」基盤のダイナミックマップ管理機能を提供する。