国内サーバー市場、2期連続でプラス成長

大手企業などの基幹業務データを処理するメインフレームの終焉が告げられて久しい。状況に追い込んだのは、より安価かつ自由にシステム構築ができるオープン系OSを搭載したx86/PCサーバー。だが、信頼性や耐障害性等に優れているメインフレームを高く評価するユーザーもいる。

日本国内のサーバー市場について、IT(情報技術)専門調査会社のIDC Japanはきょう、今年第3四半期(7月~9月)の動向を発表。この3ヶ月における国内サーバー市場規模は1,196億円で、前年同期から17.5%増加した。サーバーの出荷台数は13万4,000台で、前年同期から1.5%増えたという。

同社によると、メインフレームは、出荷額が前年同期比105.5%増の184億円。金融や製造向け大型案件が、3桁のプラス成長に貢献した。一方、x86サーバーは、出荷額が前年同期比11.3%増の924億円。クラウドサービスベンダーをはじめ、通信、製造、官公庁、文教向けに大口案件があったことなどが2桁のプラス成長の要因となった。

RISC/IA64サーバーやスパコンなど、その他サーバーは、出荷額が前年同期比10.3%減の88億円であったものの、出荷台数は19.8%増の1,407台。前年同期にあった高単価ビジネスサーバーの大型案件の反動で、平均単価が低下したため、このような状況になったという。

ベンダー別出荷額では、富士通が首位を獲得――金融向けメインフレームの大型案件によって3桁のプラス成長、x86サーバーも文教向けの大口案件などがありプラス成長となった。そして今回2位のNECは、x86サーバーでマイナス成長だったが、製造と官公庁向けの大型案件がありメインフレームで3桁のプラス成長――。3位以下に、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル、IBMが続く。

調査結果の詳細は、IDC Japanのレポートにて確認できる。