その学会を開けばユーザー企業が大挙してスポンサーになるという。海外の人工知能熱はすごい。生粋のITベンダーはもちろん、ITを革新・突破力にするネット企業をはじめ金融・製造などの一般企業も、AI博士の争奪戦を演じている。
AIの技術者だけでなく、ビッグデータ分析などを担うデータサイエンティストも大いに不足している。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」、金融とITの融合である「フィンテック」、そして、「自動運転」時代を目前にして、日本企業はビッグデータやAIの活用に支障がないのだろうか――。
高度ITの活用現場におけるデータサイエンティストの不足は、日本が産官学でめざす「超スマート社会(Society5.0)」にも影を落とす。けれども日本には、たとえば米国では見られない全国規模のITシステムインテグレータ、即ちユーザー企業の強い味方が存在する。
ビジネス領域では、膨大なデータから有用な特性や規則性を見出したり、過去データに基づいて将来を予測するなど、さまざまな活用方法が期待されている。けれど多くの企業では、実験的なAI利用に留まり、業務プロセスに組み込み、ビジネスで継続的に活用できていないのが現状だという。総合システムインテグレータのNTTデータは、AI活用をめざす企業向けに分析オペレーション自動化フレームワーク「AICYCLE™」を開発。分析・予測の自動化・自律化技術であるこれを来年1月から正式提供する。
AICYCLEは、「予測モデル構築に要するデータの前処理・蓄積」、「予測モデルの精度低下を検知・再構築して予測精度を維持」、「予測結果・実績データ、過去運用した予測モデルの保存・管理」、「顧客要件・インフラ制約等に合わせて選択可能な機械学習フレームワーク」といった要素を備えていて、データサイエンティストにはできない予測モデルの頻繁な更新などを現実化する。