CPS/IoTの市場規模は2030年に404.4兆円に JEITAが予測

JEITAが推進する「超スマート社会の実現(Society 5.0)」に向けた重要な概念となるCPS/IoTについて、利活用分野別の世界需要額と中長期展望を、国内外の関連企業・団体へのヒアリングを基に定量的に推計したもの。

CPS/IoTの市場規模は、2016年に世界で194.0兆円、日本で11.1兆円だったものが、2030年には世界で404.4兆円、日本で19.7兆円とそれぞれ約2倍の成長となることが見込まれている。背景には様々な課題に対する社会的な要請に加えて、ネットワークにつながる機器とソリューションサービスのさらなる拡大があり、各種機器のIoT化率は2030年には8割を超える見込みだ。利活用分野別にみたとき、2030年に向けて年平均の成長率が著しいと予想される分野は「農業」で年平均20.2%と最も高い伸び率となり、次が「医療・介護」の10.9%、「流通・物流」10.4%の成長を見込んでいる。

日本市場においては、「流通・物流」と「医療・介護」の利活用分野の成長が著しく、それぞれ2030年までに2.4兆円、1.3兆円と大きく成長することが予測される。「流通・物流」や「医療・介護」の分野は、就労人口減少による人手不足、少子高齢化や地方の過疎化など、様々な社会課題に直面している。その解決策の一つとしてCPS/IoTの活用による生産性向上や、今までにない新たな仕事の進め方による働き方改革が強く求められており、これからの課題解決は経済全体の成長にもつながるとJEITAは説明する。

JEITAは今回の調査結果をベースとして、CPS/IoT市場の着実な成長を図るべく、国や各種機関・会員各社と連携し、様々な施策に取り組んでいく方針。Society 5.0を推進していくことで、日本が直面する社会的課題の解決と新たなビジネスの創出を目指す考え。