三井住友海上火災保険は、AI(人工知能)技術を活用した顧客や代理店などの問い合わせ対応をサポートするシステムを構築し、稼働させたことを発表した。
同システムは、IBMの高度な日本語解析エンジンを持つ「IBM Watson Explorer」とAIテクノロジーである「Similarity Search(類似文書検索エンジン)」を採用。様々な情報源・ビッグデータ等を機械学習して、自然言語による質問や対話に基づき自ら判断し、タイムリーに的確な回答を導き出す。学習機能を備えているため、経験を重ねることで回答精度を高めていく。
AI技術を導入することで、問い合わせ対応に要する時間の短縮と回答内容の均質化を
図り、これまで以上に迅速かつ高品質な顧客対応の実現を目指す。
このシステムでは、同社の従業員やコールセンターのオペレーターなどが顧客や代理店からの問い合わせ内容をPCにて文章入力して検索すると、質問内容を分析・解釈し、あらかじめ機械学習した1万件を超えるマニュアルなどの情報から、迅速かつ的確に回答候補を一覧にして表示する。また、質問と回答を繰り返すことで、機械学習により回答精度が向上。さらにコールセンターでは、音声認識技術を導入し、顧客とオペレーターがやり取りする音声から自動的に回答候補を抽出する。
同社は、2014年度からAI技術を活用し、コールセンターに寄せられる顧客からの様々な問い合わせ内容を分析し、オフィシャルサイトに表示するFAQの情報を拡充することで、タイムリーかつ的確な情報を提供してきた。今回、顧客や代理店、従業員からの問い合わせ対応のさらなる高度化を図るべく、新たなシステムを構築することで、問い合わせ対応に要する時間の短縮に加え、回答内容の均質化を図ると説明する。