IoTサービスの利便性向上を目指し、ネットワークアシスト技術の実証実験を開始

カメラなどの高機能なIoT機器が広く普及した社会では、センサーデータのようなデータ量の少ない通信に加え、大容量のデータを効率よく様々な用途や目的に応じて届けることが必要となる。

セコムと日本電信電話(以下、NTT)は、IoT(モノのインターネット)サービスの利便性向上を実現するために、通信データを用途・目的に応じた形式に変換するネットワークアシスト技術を開発し、実証実験を開始した。

セコムとNTTは、高機能なIoT機器の普及や伝送データの大容量化に対応する技術の発展や新たな価値の創出を目指して2016年から共同で研究を進め、大容量データを用途や目的に応じた最適なデータ形式・容量に変換・伝送する技術を開発した。

この技術を活用することでIoT機器間のデータ通信を最適化し、IoTサービス事業者は回線やサーバの増強などといった特別な準備をすることなく、様々な利用者に大容量のデータを効率よく届けることが可能になる。

NTT東日本の3棟の通信ビルに、今回開発したネットワークアシスト技術を搭載したサーバを設置し、カメラからの映像データを目的・用途に合わせて変換・伝送する技術の実用化に向けた実験を実施する。

具体的には、複数の拠点を有する大規模イベントでの警備利用という利用シーンを想定し、1台のカメラからの映像を、それぞれ「信頼性重視」「即時性重視」「映像品質変換」「過去データ利用」といった目的に応じたデータにNTT東日本の通信ビル内に設置したサーバにて変換して伝送し、技術の有効性を検証する。

セコムは、大規模イベントでの警備などを想定したサービス提供に必要な映像データの品質変換および過去データ利用(貯留)の機能を提供する。また、検証を通じ、現場周辺や遠方など複数の場所において、映像データをそれぞれの用途・目的にあった形で受信できるかを確認。

NTTは、単一のカメラの映像データを利用場面に応じて、信頼性重視と即時性重視の用途に分流する機能、品質変換する機能を提供する。この実験を通してネットワークアシスト技術が大容量データの効率的な伝送とIoTサービス事業者の利便性向上につながることを確認する。