スマホによるがん患者への個別情報提供サービス

新たにがんと診断された患者の多くは、そのショックから医師の説明を十分に理解できないことが多いといわれ、その結果不安が増大し、インターネットを介した信頼性の低い情報で誤解を招く事態も発生している。

大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(以下、大阪国際がんセンター)とNTTドコモは、がんに罹患された方が不安を軽減し主体的に治療に向き合える世界の実現を目指し、スマートフォン向けアプリケーションを通じた情報配信サービスを提供するため、実証実験を開始した。

具体的には、新たに肺がんと診断された方を対象として、病状や治療段階に応じ、病院が患者に対し、個別に情報配信が行えるサービスの実証実験を実施する。

実験では、病院での医師から患者に対する説明の前後で補完的なラーニングコンテンツを提供できる環境を病院側に整え、患者の病状に合わせた情報配信をスマートフォンアプリで行う。

実証実験は、このアプリケーションを利用する患者が、医師から信頼のある情報を適切なタイミングで受け取り、何度も参照することで安心・納得して治療に向き合えるような支援サービスとなりうるか、また医療従事者が患者ごとに異なる悩み・不安に対し患者に寄り添ううえでのサポートツールとなりうるかなどを検証する。

また、実験中は外部のアライアンス企業とのパートナー提携を視野に入れ、提供コンテンツの充実化を図り、患者およびそのご家族への各種支援を検討する。このサービスは2018年夏以降の実用化を見据えて、実験内容を基にアプリケーションの利便性向上を進める。

実証実験では、患者に寄り添いながらがんのストレスを軽減することを目指し、生活環境を改善するための取り組みや、治療による心身の変化へのケアなど各種取り組みを先進的に行っている大阪国際がんセンターが実施する。

大阪国際がんセンターは今回の実証実験におけるフィールド提供を、NTTドコモは実証実験で利用する医療機関向けシステムおよび患者向けアプリケーションの開発・配信コンテンツの提供を実施することで、相互に連携し取り組んでいく。