近ごろのネット通販の隆盛により、それでなくても人手不足に悩まされている物流現場は悲鳴を上げている。日本政府は官民に向けて「働き方改革」の旗を振るが、経験が物を言う現場でそれは一朝一夕には叶わない。
この国は少子高齢化という根本的な問題を抱えている。若い働き手が少なく、ベテランが経験や技とともに引退していく、状況は今後ますます拡大していく。ところへ手軽なネットショッピングの増加が追い打ちを掛ける。企業間の商品取引もネットで決済し、あとは物流会社に委ねてしまうことが増えていくだろう。利用者にとって便利で効率的な仕組みを、将来にわたって支え続けられるのは物流網であり、そこで働く人たち――。だが今でさえ慢性的な人員不足、長時間労働といった課題に直面している。
物流業界において、JBCC、サトー、セイノー情報サービスの3社は共同で、物流現場の働き方改革を支援するクラウドサービスをきょうから提供する。同業界で数多くの業務開発実績があり様々なビジネスクラウドを提供するJBCC、西濃運輸グループで培った業務知識や技術で物流IT(情報技術)サービスを提供するセイノー情報、現場で人やモノの動きと情報をつなぐ自動認識ソリューションを手掛けるサトー、それぞれの強みを活かすという。
今回、JBCCの「俺のクラウド」ラインナップに、セイノーの倉庫管理システム「SLIMS」と、サトーの庫内業務改善ソリューション「Visual Warehouse」を新たに加え、運用付きクラウドサービスとして提供。"俺"の「NX販売支援」とも連携し、受注処理から入出荷作業まで、物流業務をトータルにサポートする。これらのサービスにより、業務プロセスの最適化や作業の標準化を実現し、業務経験に依存しない多様な人材活用を可能にする。適材適所の人員配置、作業の属人化の排除、省人化実現にも寄与し、物流現場における働き方改革に貢献する構えだ。