ドライブレコーダーの需要変化と危険運転の実態調査

GfKジャパンは、全国のカー用品量販店、家電量販店、GMS、インターネット通販などの販売実績を基に市場規模相当に拡大推計した販売実績調査に基づく、ドライブレコーダーの需要変化と危険運転に関する消費者調査の結果を発表した。

全国のカー用品量販店、家電量販店、GMS、インターネット通販における2017年のドライブレコーダーの販売台数は、9月までは前年をわずかに上回る程度で推移していたが、10月は前年同月の2.6倍、11月は2.4倍と急伸した。危険運転が発端とされる事故の報道によって、自衛手段としてのドライブレコーダーの有効性が広く認識されるようになったためだ。

2017年11月に全国のドライバー約1万3,500人に実施した調査では、危険運転が発端とされる事故の報道を受けて、7割のドライバーが安全運転により気を使うようになったと回答した。また、ドライブレコーダー非保有者の半数近くが今後の購入を検討していることが明らかになった。

高い関心を集める背景には、危険運転に遭遇したことがあるという自身の体験があると考えられる。運転中にあおられた経験があるかを尋ねたところ、「よくある」が5%、「たまにある」が35%、「ほとんどないが、経験はある」が51%となり、あおられた経験があるドライバーは9割に達した。あおられた場所は、62%が一般道、27%が高速道路、その他/覚えていないが11%となった。どのようにあおられたかを尋ねたところ、割合が最も高かったのは「車間距離を詰めた異常接近・追い越し」で78%、次いで、「ハイビーム」(10%)、「幅寄せ」(6%)、「クラクションによる威嚇」(4%)となった。

こうしたあおり運転の被害にあわないためドライブレコーダーに求める機能についても調査した。最も求められていた機能は「前方・後方の両方にカメラがついていること」で55%、次いで、「夜間・暗所対応」(47%)、「360度カメラ」、「長時間録画」(共に41%)となった。販売実績を見ると、現在は前方のみ撮影可能な1カメラタイプの製品が販売台数の9割超と主流で、前後撮影可能なタイプや360度撮影可能なタイプは1割に満たない。一般乗用車のドライブレコーダー設置率は1割未満と推計されるが、今後の普及過程ではより全方位的な映像記録ができる製品の増加が見込まれる。