自動運転開発を促進させる低消費電力なLiDAR

自動運転の実現に向けて、高精度に周辺環境を認識し、自車位置の推定を行うため、車両周辺の障害物をリアルタイムに検出可能な「LiDAR」は、キーとなるセンサーと期待されている。しかし、データ処理量が膨大のため、最適なソフトウェアとそれを実現する高性能なSoC(System on Chip)の組み合わせが求められている。

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)と、リアルタイム3次元LiDAR処理を手掛けるフランスのDiboticsは、ADAS(Advanced Driving Assistance System:先進運転支援システム)向けLiDAR(Light Detection and Ranging:レーザ光による検出と測距)ソリューションで協業したことを発表した。

LiDARソリューションは、ルネサスの高度な画像処理を低消費電力で実現する車載用SoC「R-Car」と、Diboticsの各種LiDARセンサーに対応可能なSoC向けソフトウェア「SLAM on Chip」技術を組み合わせている。SLAM on Chipは、高性能なPCが必要とされていた3次元のSLAM処理をSoC上で実現し、従来、必要とされていたIMU(Inertial Measurement Units:慣性計測ユニット)とGPS(全地球測位システム)データを使用せず、LiDARのデータだけで3次元マッピングシステムを構築する。

ルネサスによると、SoCとしてルネサスのR-Carと組み合わせることで、車載システムで実用できる低消費電力、かつ機能安全にも対応したリアルタイム3次元マッピングシステムを実現できるという。