通話モニタリング業務を大幅に効率化・高度化

野村総合研究所(以下、NRI)は、みずほ証券が行う、コンプライアンス目的で行う通話モニタリング業務を、音声認識技術と人工知能を組み合わせて効率化・高度化するシステムの開発や実証実験を行い、2017年11月に稼動を開始したと発表した。

みずほ証券では、営業品質の向上の観点から、顧客である投資家と営業員との通話を録音し、専任の担当者がその通話内容を聞いてモニタリングする業務を行っている。このモニタリング業務を効率化・高度化するために、NRIは2016年末から、音声認識技術によってテキスト化された通話内容に関して人工知能を使って分析し、モニタリングすべき重要なポイントを抽出するシステムの実証実験を行ってきた。その結果、大幅な業務時間の短縮効果が確認できたため、今回の正式稼動に至った。

NRIは、音声認識技術と人工知能を応用した製品として、コールセンターで多数の導入実績がある「TRAINA VOICEダイジェスト(旧製品名:TRUE TELLER VOICEダイジェスト)」を、システムのベースとして採用した上で、みずほ証券が行うモニタリング業務に適合するよう要約エンジンについてはカスタマイズする形で開発した。

今回開発したシステムでは、通話内容の要約ルールや、モニタリング業務に関するチェックリストおよびガイドラインなどを教師データとして用いながら、膨大な通話データを用いて機械学習を自動的に行い、通話内容の中でモニタリングすべき発話を画面に抽出・表示する。これにより、担当者はモニタリングすべき箇所を容易に確認できるという。