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コールセンター用AIチャットボットを鳥取大学と共同開発
近年、人工知能(AI)チャットボットが問い合わせに応対する自動応対システムを導入する企業が増えている。コールセンターのオペレーターに代わり、AIチャットが回答することにより24時間365日リアルタイムで応対でき、コスト削減の効果や顧客満足度の向上にも寄与している。
ダットジャパンは、鳥取大学と共同でコールセンターの業務効率化を支援するAIチャットボットの開発を2017年9月に開始したことを発表した。
鳥取大学との共同開発は、ダットジャパンの持つソフトウェア開発技術、コールセンター運用ノウハウと、鳥取大学の自然言語処理技術を組み合わせている。鳥取大学の村田真樹教授の自然言語処理技術(以下、村田AIエンジン)は、テキストファイルからあらかじめ決めた項目に対する複数の要約を生成し、逐次学習を行うことができる。さらに、事前知識なしにあらかじめ決めていない項目に対する複数の要約を生成できる。
コールセンターの対応には、質問と回答という二つの要素があり、一般的には複数の問答により成立する。この応対をAIに行わせるためには、質問と回答の対のデータを膨大に用意し、AIに学習させる必要がある。
ダットジャパンによると、従来の技術では要約ファイルが1つしか生成できないため、質問と回答が対の形となったAIの学習用ローデータを自動生成することが困難だという。そのため、人力でローデータを成形することが必須となり、相当な労力を必要とする。
村田AIエンジンでは複数の要約ファイルを表の形式で生成できるため、質問と回答の対のデータとして学習用ローデータを自動生成することが容易になり、飛躍的にAIの学習による成長速度、精度が向上する。この技術を生かすことで、今までにないAIチャットボットエンジンとなり、より人間の対応に近い自動応対を可能にする。