東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた実践的サイバー演習

NICTは総務省と連携し、高度化・多様化するサイバー攻撃に備え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の適切な運営を確保することを目的として、大会関連組織のセキュリティ担当者等を対象とした高度な攻撃に対処可能な人材を育成する実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」を2018年2月から実施する。

現在、NICTは、政府のサイバーセキュリティ戦略等に基づき、総務省と連携し、国の行政機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者(情報通信、金融、航空、電力、医療等13分野)等を対象として、NICTが有するサイバーセキュリティの技術的知見などを最大限に生かした活かした実践的サイバー防御演習「CYDER」(サイダー)を開発・実施。未来のサイバーセキュリティ研究者や起業家の創出を目指し、若手セキュリティイノベーター育成プログラム「SecHack365」(セックハック365)を開始している。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで3年を切る中、NICTとしては、必要な能力を備えた人材を段階的・計画的に育成していくことを目的として、関係省庁、関係団体等と協議のうえ、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたサイバーコロッセオ実施計画」を策定した。

東京2020大会に向けたサイバー攻撃対策は、監視・分析、情報共有、アセスメント、人材育成など多岐にわたる。このうちNICTは、同機構が有する大規模演習環境と長年のサイバーセキュリティ研究による知見を生かした、実際の機器やソフトウェアの操作を伴う「実践的なトレーニング」を担当する。

サイバーコロッセオは、東京2020大会開催までの3年間を通して継続的なトレーニングを実施。回を経るごとにコンテンツを充実させていくとともに、参加人数についても段階的に規模を拡大していき、最終的には約220人のセキュリティ担当者を育成する予定。