今回のPoCでは、NTTデータと三菱東京UFJ銀行は、NTPプロジェクトオフィス注3の協力の下、NTTデータの進めるブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤のプロトタイプとNTPのAPIによる接続を試み、クロスボーダー取引における安全性や効率性、透明性を高めるための課題を特定して、その解決策を検討する。
国や地域の経済連携協定など、各所で自由貿易実現への取り組みが推進される現在、クロスボーダーの貿易取引においては、貿易事業者や金融機関等の関係者間で数十もの文書が主に紙やメールでやり取りされている。しかし、貨物の到着に書類が間に合わないなどの事象を起こす可能性があるため、貿易取引の関係者間で、さらなる貿易文書の効率化、スピード化が課題となっている。
こうした中、シンガポールはSmart Nationというデジタルエコノミーを推進する計画を掲げており、特に貿易金融の領域についてはシンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore:MAS)が中心となって進めている。シンガポールは、香港をはじめとする他の国々と接続していくことを目指して、貿易プラットフォーム(NTP)を再構築している。
一方、NTTデータは、貿易関係者である銀行や保険、総合物流、船会社、輸出入者などの各業界を代表する国内13社とともに「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム」を発足し、活動を進めている。
三菱東京UFJ銀行は、シンガポールのNTPワーキンググループ、NTTデータが主導するコンソーシアムの両プラットフォームに参加する金融機関として、顧客利便性の向上および金融業界全体の発展に資する両プラットフォームの橋渡しを行い、あわせて今回のPoCへの参加を決定したという。
今回のPoCでは、クロスボーダー取引における安全性や効率性、透明性を高めるための課題を特定して、その解決策を検討する。