物流センター、立地選定の支援サービスはじまる

ネットショッピングが当たり前になった今、ロジスティックスの優劣はビジネスの盛衰をさらに左右する。たとえば神奈川、東京、埼玉、茨城、千葉を丸くむすび放射状に多くの高速道路と自動車道が連結された、圏央道にみられる物流センターの新設ラッシュもその理由によるものだ。

物流は、我が国の産業競争力の強化、豊かな国民生活の実現と地方創生を支える、社会インフラであり、途切れさせてはならない――などとして、国土交通省は「総合物流施策大綱」(概要PDF)を示した。同省では「生産性革命」の実現に向けて、エビデンスをベースとした政策決定が提言されているという。

富士通交通・道路データサービスはきょう、物流センターのテナント誘致や開発におけるエリア選定を支援するサービスとして、「FUJITSU Intelligent Data Service 物流不動産向け情報サービス(FoXYZ)」を本格的に販売開始と発表した。日本全国を通行する貨物トラック約12万台に装着されている、トランストロン社製ネットワーク型デジタルタコグラフから収集・蓄積される走行実績データ等を統計処理した、時間・空間の両面での連続性を特色とする物流プローブ®データ(分析サービス事業図)を基に提供するという。

情報サービスは、既存物流センターや開発検討地点に対して、貨物トラックの運行実績に基づいた曜日時間帯別の等時間移動圏情報を、到達時間ごとに色分けしたコンター図で可視化する。荷主やテナントは輸配送可能な範囲を把握しやすくなり、効率的な拠点選定が可能になる。ディベロッパーや仲介業者がテナント誘致を行う際、顧客ニーズに合致した最適な物流施設や代替候補地の提案、他の物流施設との差別化などにも活用できる。ほかに物流拠点マルチアナリシス基盤をもとにした任意地点と対象4地点間のベンチマークや、エリア戦略支援といった特長のあるメニューも備えている。