第3世代の人工知能(AI)がもて囃されている。深層学習(DL:ディープラーニング)が知的ゲームで人間を打ち負かして以来、AIは世間の耳目を集め、ライフサイエンス分野でも産業界でも、その活用についての検討が急速に進み始めている。
昨今、製造、卸売り/小売り、運輸、サービス等のエンドユーザ先で採用するケースも増えてきている。ただし、エッジあるいはフォグ・コンピューティング(クラウドよりもデバイスに近い霧のようなしくみ)に求められる柔軟性、リアルタイム性、高い処理能力、低消費電力が実現可能なDLの推論環境は少ない。この状況は、組み込み分野におけるDL導入の阻害要因の1つになっているという。
マクニカ アルティマ カンパニーと、GPU、AI技術を中心としたIPライセンシングビジネスを手掛けるDMP、画像処理技術の研究開発及び製品開発ならびにライセンシングを手掛けるモルフォは、インテル®FPGA を使用したAI/DL技術で提携したことを発表。その第一弾として、インテル®FPGA ベースのDL推論環境をDMPがパッケージングしたプラットフォームを、今年度中にマクニカが販売を開始する予定だとした。
同プラットフォームは、フィールドでプログラミング可能なFPGA搭載の「Magnes ボード」と、エッジ側のAI/DL推論処理に特化した超低消費消費電力プロセッサIP「ZIA DV700」と、ニューラルネットワークデザイン・モデルの最適化技術とを融合させたもの。これにより、本物体認識DNN(Deep Neural Net)の学習済みモデルをベースに開発/評価することはもちろん、ユーザが独自に用意した学習済みのモデルもプログラマブルに実装可能なため、迅速に推論環境の開発/評価及び、量産での組み込み機器への適用が可能になるという。
製品は来週、パシフィコ横浜で開催の「国際画像機器展2017」にて披露される。