利用者の生活に寄り添うアドバイスでQoL向上に貢献

現在、働く人の視点に立ち、企業文化やライフスタイル、働き方を抜本的に変革する「働き方改革」や、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」を推進する企業が増えている。

日立製作所(日立)は、スマートフォン向けのヘルスケアアプリケーション「MyLifePal」(マイ・ライフ・パル)を開発した。利用者の日常生活に寄り添って、Quality of LifeとQuality of Work両方の向上を支援することを目的としている。利用者の睡眠や食事に関する健康データを管理できる他、日立の顔画像解析技術を活用して脈拍やストレス度を計測することも可能。日立は、2017年12月からアプリの社内実証実験を開始し、2018年度中の実用化を目指す。

事前調査から、ヘルスケアアプリは長期的に利用されにくいという課題があることに着目し、長く利用者の健康を支援できるよう、MyLifePalでは積極的に利用者にアドバイスを提供する。また、専門の管理栄養士や美容コンサルタントの監修のもと、女性利用者のニーズが高い食事や美容に関するコンテンツを充実させている。

利用者の健康データを基におすすめの食材を知らせしたり、美容コンサルタントがコスメ・美容の総合サイト「@cosme」からお薦めの記事を配信したりする。さらに、おすすめの食材を利用した料理のレシピは、キユーピーが提供するレシピサイト「とっておきレシピ」から検索することもできる。

また、利用者が長期にわたって、気軽に、簡便に利用できるよう、健康データの入力方法を工夫しました。スマートフォンに搭載された機能で歩数や睡眠時間などを自動的に計測するとともに、日立独自の顔画像解析技術を活用することで、スマートフォンで顔を撮影するだけで脈拍やストレス度を測ることも可能。また、その日の調子や疲労感を対話形式で気軽に入力でき、利用者の健康データを包括的に管理する。

同社は今後、日立のヒューマノイドロボット「EMIEW(エミュー)」に搭載している対話型AI(人工知能)の活用など、継続的に機能を充実させることによって、利用者のQuality of LifeとQuality of Workの向上に貢献していく予定。