車載向け0.5mmピッチ基板対基板コネクタを販売、京セラ

自動車の電装化が急激に進む中、カーナビやIVI(次世代車載通信システム)、ミリ波レーダーなどの車載機器に用いられる部品には、振動や温度変化などの厳しい条件下でも正常に動作する高い信頼性と耐久性が求められている。

京セラは、電子部品事業本部の新製品として、業界最大可動領域と+125℃までの高耐熱性を実現した0.5mmピッチの基板対基板(Board to Board)コネクタ「5656シリーズ」を開発し、販売を開始した。

5656シリーズは、嵌合状態でXY方向に±1.0mm(F/P=200%)可動する独自のフローティング構造を採用。基板実装のズレを今まで以上に吸収し、高接触における信頼性の向上を図った。-40℃~+125℃までの温度範囲に対応しており、京セラによると耐熱性が求められる車載機器向けに適しているという。

ストレートタイプのプラグコネクタを採用し、相手側となるリセプタクルコネクタには、基板を平行に接続する「ストレートタイプ」と、基板を垂直に接続する「ライトアングルタイプ」の2種を用意して設計の自由度を高めている。また、大電流向けグランド端子専用タイプやシグナル端子とグランド端子付きの複合タイプも用意する。

コンタクト(端子)の形状は、ワイピング効果でほこりなどの異物を排除する機構を施した。さらに基板実装部分であるテール部が上面から目視、または自動光学検査装置でも確認できることで、実装検査工程での作業効率の効率化が図れるという。

京セラは今後、0.5mmピッチのフローティング機構付きコネクタのバリエーションを増やすことで車載機器向け製品の拡充を計画している。