電気自動車(EV)は地球環境に優しい。とわかっていても、化石燃料車から乗り換えることがためらわれる。理由は航続距離と充電の不便さ(イメージ)だろう。
中国や英国、フランスが化石燃料のみで走る車の販売禁止を打ち出し、発想の転換を迫っている。多くの日本人には意外だろうが、燃費の悪いピックアップトラックが人気の米国は早くからEVに注目し、さまざまな取り組みを実施している――。特にカリフォルニア州は、2025年までに150万台のZEV(Zero Emission Vehicle)普及を目標に掲げ、州内で一定台数以上の自動車を販売するメーカーに対して、一定比率のEVやプラグインハイブリッド車などの販売を義務付け(ZEV規制)、EV購入者は優先レーンの通行許可が得られるといった優遇措置も充実させている。
現在米国において自家用EVの販売台数が最も多い州になっているという。加州において、NEDO、日産自動車と兼松は、25カ所・55基の大規模な急速充電ステーションネットワークを今月14日に完成させた。と同時に、約1年前からEVドライバー向けに提供しているリアルタイム情報スマホアプリサービス「DRIVEtheARC」を、日産の自動車情報サービス「NissanConnect」とデータ連携させるなど、機能アップさせ、EV利用範囲拡大を目指す実証事業を本格的に始動したことを発表した。
太平洋沿岸のモントレーから、シリコンバレー、サクラメントを経由し、レイクタホに至る急速充電ステーション網の回廊(コリドー)で行う。同事業ではこれから約2年間、急速充電器の適正な設置箇所や利用者の充電行動などEVのさまざまな行動パターンのデータを集積、分析し、EV利用距離の延伸の可能性についても評価分析する。日産自動車と兼松は、この実証事業を通じて、EVのリアルタイムデータやビッグデータビジネスの検討を進めるとのことだ。