最新の無線技術にてスマートファクトリを開拓

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の展開が、産業界で加速している。しくみの肝となるのは無線通信ネットワークであり、省電力広域網を実現するLPWAを用いた実証実験などが国内外で進められている。

IoT向けに今年6月、新規格の標準化が完了した。それは3GPPリリース13にフィーチャーされた狭帯域無線技術「NB-IoT」だ。そしてきょう、このNB-IoTを活用したスマートファクトリについて、東芝デジタルソリューションズとファーウェイはともに実証実験を行い、商用展開に向けた検討を進めていくことを公表した。

両社は3月に産業向けIoT分野での協業を合意し、これまでスマートファクトリ分野の技術検証を進めてきた。今月中旬、ロンドンで開催された「モバイルブロードバンドフォーラム 2017」にて同分野のソリューションを披露。ファーウェイのNB-IoT対応チップセットを搭載した東芝デジタルソリューションズのIoTゲートウェイを活用したスマートファクトリ向けソリューションのデモを行ったという。

東芝デジタルソリューションズは、同社のIoTアーキテクチャ「SPINEX™」を活用した機器の稼働状況の遠隔監視に加え、140年の"ものづくり"の知見と実績を集約したアナリティクスAIにより、高精度な異常検知・故障予知を実現するしくみを提供している。一方、ファーウェイは、移動体通信システムをエンドツーエンドで支える機器や製品などを提供していて、Huawei NB-IoTは世界の通信事業者14社で商用化――ほかに40業種・600社ともその活用話が進められている。

今回両社は、SPINEX™上にHuawei NB-IoTを適用することで、電波が届きにくく、商用電源の確保が難しい工場屋内における機器の遠隔監視を実現する、スマートファクトリーソリューションの普及を目指す構えだ。