金融機関が人工知能を備えた人型コミュニケーションロボットを導入する動きが進んでいる。店舗利用客への対応や説明業務を担うなどでの活用を見込んでいる。将来的には、サービス拡充や業務効率化などに対応する人材として事業展開の新たな武器にしたい考えだ。
肥後銀行と富士ソフトは、富士ソフトが開発・販売する人工知能を搭載したコミュニケーションロボット「PALRO(パルロ)」を肥後銀行の窓口業務にて、販売支援アシスタントとして導入することを目的に、店舗での実証実験を開始する。
実証実験は、肥後銀行 学園大通支店で2017年11月24日~2018年2月28日まで行われる。応接ブースでの顧客応対に活用し、PALROとPCとを連動させ、PALROが行員のそばで商品説明をサポートする。具体的には、投資信託58種類を対象に商品説明をする行員のアシスタントとなり、専門的な金融用語について分かりやすく説明する。
肥後銀行では、期待される効果として「フィデューシャリー・デューティー」への適切な対応、より分かりやすい商品説明の補助、説明内容の均一化などを挙げている。フィデューシャリー・デューティーとは、他者の信認を得て一定の任務を遂行すべき者が負っている幅広い様々な役割・責任の総称のこと。
肥後銀行では、2014年12月から小学生向け金融教育セミナーの「お金の教室」において、PALROをサブ講師として活用するなど、計5台のPALROを導入している。肥後銀行と富士ソフトは、PALRO導入当初から金融機関におけるPALRO活用の可能性について、様々な検討を重ねてきた。金融機関において、顧客にとって分かりやすい商品説明の必要性がますます高まる中で、顧客への商品説明の場面で、PALROを有効活用できないかと準備を進めてきたという。
そして今回、来店した顧客を応対する行員のそばで、PALROが分かりやすい金融商品の説明をサポートする販売支援アシスタントとしての実証実験を開始。対象商品は、投資信託からスタートさせ、順次拡充していく予定。