鉄道の事故で最も被害が大きくなる。踏切はなくならないし、遮断機や信号を無視してそこに侵入する自動車もいまだに跡を絶たない。鉄道会社は踏切道を改良したり、カメラを設置したりなどして、乗客とドライバー双方の安全を守ろうとしているのだが......。
自動車だけでなく、歩行者や自転車が無謀な横断を試みることもあるし、ハンディキャップを持つ人たちが渡りきれないことだってある。柵で防護された沿線以上に物が落とされ残されていくことだって多いだろう。踏切の安全性向上を目的として、きょう、東急テクノシステムは、TMFアース社の協力のもと、人工知能(AI)/深層学習(Deep Learning)を用いた「踏切映像伝送システム」の実証実験を始める。
来年4月末まで、東急世田谷線の若林交差点で行う。実験では踏切に設置された監視カメラの映像から、踏切内の異常をAIが検知し、付近を走行中の電車の運転士や運行管理者等に、警告とともに映像を2秒以内に伝送することを目指している。映像伝送の検証は済んでいて、今回、AIによる伝送性能の確認など、新たな検証を進めるという。
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の世界で動画監視カメラソリューションなども提供しているTMFと共同開発していて、見通しの悪い踏切でも運転士や運行管理者等が異常事態に迅速に対処でき、安全性の向上に寄与することが期待される。踏切映像伝送システムは、来週幕張メッセで開催の「第5回 鉄道技術展2017」にて、映像およびパネルで披露される。