移動式セキュリティ対策本部じっけん始まる

大規模なスポーツイベントや国際会議、大災害の被災地などでは、情報収集と分析、指示や連絡を行う現地指揮拠点が設けられ、セキュリティ網の確立が求められる。

それらを機動的に行えるよう、セコムは、同社独自の技術力とノウハウをもとに「オンサイトセンター」を新たに開発。車両型の移動式モニタリング拠点であるそれを活用したセキュリティシステムの運用実験を24日(金)、三菱地所とともに丸の内エリアで行うと発表した。三菱地所主催の「MARUNOUCHI FASHION WEEK 2017」で実施する催しの一部になるという。

実験では、警備員が装着しているウェアラブルカメラから送られる映像を会場近傍の「オンサイトセンタ―」で管理・分析し、情報収集や状況確認、現場指揮を行う。モニタリング拠点は、必要とされる場所に、必要な時に移動することが可能であり、警備本部の立ち上げ時、場所の確保や機材の準備などが不要で、機動力を発揮できる。

ウェアラブルおよび仮設カメラからの映像、それらの現在地を表示するマップ卓、状況把握や情報のやり取りを行うスタッフ卓、これらの情報を一元表示できる情報統合卓など、最新技術を駆使した機材を搭載――将来的には人工知能(AI)による画像解析も組み込む予定だという。「オンサイトセンター」にて収集された情報は、リアルタイムに遠隔拠点に提供できる。イベント警備本部や救護拠点などにも情報を提供する。仕組みからのフィードバックを警備体制に反映するなど、さまざまなセキュリティニーズに柔軟に対応可能だという。

両社は今後も、先進テクノロジーを活用したセキュリティシステムを通じ、より「安全・安心」な街づくりに取り組んでいく。また三菱地所は、日本の金融・経済の中心地でかつ毎年多彩なイベントが開催される同エリアの更なる機能向上を目指し、先進テクノロジーの実証実験を積極的に行っていく構えだ。