国内ネットワークセキュリティ市場を調査、富士キメラ総研

富士キメラ総研は、多様化・高度化するサイバー攻撃をはじめとする脅威の拡大とともに成長している国内のネットワークセキュリティビジネス市場を調査。

この報告書は上巻・下巻で構成され、上巻の市場編ではセキュリティサービス16品目、セキュリティ製品28品目の市場を分析して将来を予測。また、下巻の企業編ではセキュリティソリューションプロバイダー33社、セキュリティツールベンダー24社の事例分析を行い、セキュリティソリューショントレンドを明確化している。

報告書によると、セキュリティサービス市場はマネージドセキュリティサービスが中心。より高度なセキュリティ対策が必要とされる中、ユーザーは自身による運用管理が困難となっており、高度なノウハウや知見を有するセキュリティベンダーに運用や監視をアウトソーシングする傾向にあり、サービスの利用が拡大しているという。今後は、特に統合セキュリティ監視サービスや不正アクセス監視サービス、DaaSに対する需要が増加するとみている。その要因としては、サイバー攻撃およびサイバー攻撃による情報漏えいなどの被害が増加することを挙げている。

国内のネットワークセキュリティビジネス市場をゲートウェイセキュリティ、メールセキュリティ、Webセキュリティ、IDセキュリティ、端末セキュリティ、その他の6つのカテゴリー別にみると、ゲートウェイセキュリティは、市場の45.8%(2016年度)と高い比率を占めた。ファイアウォール/VPN/UTM関連製品やファイアウォール運用管理サービスといった早期に導入が進んだサービス/製品などが市場拡大をけん引。今後もゲートウェイセキュリティは堅調に拡大していくとみられる。

また、Webセキュリティや端末セキュリティも大きく拡大していくとみられる。Webセキュリティは、Webアプリケーションを標的としたサイバー攻撃の増加に伴い、アプリケーション脆弱性検査サービスやWebアプリケーションファイアウォールなどが拡大していくとみられる。

セキュリティ製品市場は、ファイアウォール/VPN関連製品や端末管理・セキュリティツールなどの以前から導入されている製品が引き続き中心。また、多様化するサイバー攻撃対策として、標的型攻撃対策やWebフィルタリング、セキュリティ監視などのツールが伸びている。

セキュリティ製品市場をソフトウェア、クラウド、アプライアンスの提供形態別にみると、ソフトウェアは、2016年度に1,127億円となった。今後も堅調に拡大していくとみられるが、クラウドの拡大に伴い市場全体に占める割合は少しずつ縮小すると予測する。

クラウドは超大手・大手企業を中心に今後採用が加速するとみられ、2021年度には474億円、2016年度比2.3倍と大幅な拡大が予想される。アプライアンスは、今後も堅調な拡大は続くが、ソフトウェアと同様にクラウドの急速な拡大に伴って市場全体に占める割合は縮小していくとみられる。