東南アジアでセンサーデータをIoT基盤で可視化する実証実験

松井製作所、NTTドコモとNTT DOCOMO ASIA(以下、ドコモアジア)は、プラスチック成形業界の生産効率化に向け、金型温度調節機の機器に設置された各種センサーから取得したデータをドコモアジアが開発したIoT基盤で可視化する実証実験を開始する。

実証実験は、松井製作所の金型温度調節機に取り付けられた温度、流量などの各種センサーから、モバイルネットワークを通じてリアルタイムにデータを収集し可視化することで、製造現場の状況を把握するというもの。さらにそれらのデータ分析を実施することで、一時的なトラブルによる設備停止時間の削減や不良品の発生防止、製造現場の業務改善に役立てる。これらの精度や課題などを分析し、サービス実用化に向けて取り組むという。今回の実証実験用に開発した、通信機能付き金型温度調節機を利用してインドネシアのプラスチック成形工場で実施する。

NTTドコモによると、こうした取り組みは前例がなく、実現すれば世界初事例になるという。将来的にはこれらのデータを、機械学習や人工知能(AI)を活用することでプラスチック成形業界のさらなる生産効率化に貢献することを目指している。

松井製作所が、金型温度調節機および各種センサーの提供、それに付随するノウハウを提供する。NTTドコモが、IoT分野におけるグローバル向けサービスに関する企画を行う。また、ドコモアジアがIoT基盤を開発する。

今回の実証実験を東南アジアで実施することについて、NTTドコモでは、人口規模6億人という今後成長が大きく期待される東南アジアでの日系製造業の業容拡大に加え、製品の軽量化やコスト面などから自動車・電気業界、日用品などでプラスチックの需要拡大は引き続き堅調に推移することから、IoTによる品質管理のニーズは高いと判断したと説明する。