ITで保育士の働き方改革を支援するサービスが登場

キヤノンS&Sは、テクノクラフトのクラウドサービス「コミュニケーション&なび」の新サービスとして、教育保育支援・書類作成整理システム「ぎゅっとなび」を2017年11月20日に提供開始する。

近年、ますます増加する女性の社会進出により幼稚園や保育園、認定こども園の需要が高まっている。しかし、業務過多などにより保育士の早期離職の傾向があり、厚生労働省の調査では、2017年度末における保育士数は日本全体で約6.9万人不足と算出されている。多くの自治体で待機児童の問題が解消されておらず、保育士の業務負荷を軽減し「働き方改革」を推進することが望まれている。

キヤノンS&Sでは、こうした課題を解決するため、園業務のIT化を支援するテクノクラフトの「コミュニケーション&なび」、教育保育支援・書類作成整理システム「ぎゅっとなび」の販売を開始する。

ぎゅっとなびは、指導計画や保護者との連絡帳などの様々な書類作成や、お便りなどの大量の書類整理など、保育士が抱える業務を軽減するためのシステム。事務業務を効率化することで、本来の業務である子どもと接する時間を増やせる。指導計画や連絡帳、園児台帳などは、園の方針によってそれぞれ形式が異なる。ぎゅっとなびでは、各園に合わせてカスタマイズすることが可能。また、連絡帳や行事予定は保護者もスマートフォンやPCから入力・閲覧が可能なため、保護者のCS(顧客満足度)向上も期待できるという。

厚生労働省は、2016年から保育所等における業務効率化を推進するため導入金額の100%の補助を実施し(補助上限金額100万円)、2017年度からは文部科学省も園務改善のためのIT化支援として導入金額の4分の3(補助上限金額54万円)を補助することにした。ぎゅっとなびもその補助金の対象となる。

テクノクラフトは、幼稚園、保育園、認定こども園を運営する中でIT化による差別化を図り、コミュニケーション&なびを提供開始し、現在では約150施設に導入している。実際の現場の保育士や保護者の意見を反映し、保護者がスマートフォンからいつでも欠席・遅刻・早退連絡ができる「出欠申請なび」、Android端末をバスに搭載するだけでバスの運行状況を可視化する「バスなび」、園児の鞄などにつけたICタグを読み込むことで登降園時間の記録と時間外保育料を自動集計する「登降園&あずかり精算なび」など多数のラインアップをそろえている。

キヤノンS&Sは全国約200カ所の拠点を活用し、導入前のヒアリングから設定作業、導入後の操作指導まで全国均一の品質を提供し、2018年12月末までに100施設への導入を目指す。

ぎゅっとなびには、単体版/パッケージプランの料金設定がある。単体版はID 100件分で初期費用が10,000円(税別、以下同)、年間利用料金が79,200円となる。