アジア企業のIoTへの積極投資が明らかに、ボーダフォン調査

ボーダフォン・グローバル・エンタープライズ・ジャパン(以下、ボーダフォン)は、グローバルのIoT(モノのインターネット)の普及・利用状況をまとめたレポート「2017-2018年度版ボーダフォンIoT普及状況調査レポート」を発表した。

このレポートは、13カ国1278人のビジネスリーダーに対するインタビュー調査の結果をまとめたもの。「市場の状況」「ビジネス上の利点」「普及推進」「今後に対する楽観的考え」という4つのポイントで調査を実施している。今回の主なトピックスは、アジアの急成長とIoT普及の分岐点への到達だ。IoTに接続したデバイスを利用するアジア企業の数が、2013年は12%だったのに対して、2017年には36%という結果になり世界をリードする存在になっていることが分かった。同調査ではIoT普及の転換期に来ており、大規模な導入が進んでいることが明らかになったと分析する。

今回のレポートでは、アジア企業におけるIoTへの関心の高さと導入に対する積極的な投資が見られている。アジア企業の77%が「IoTは業務に不可欠である」と認識し、同時にアジア人回答者の88%が「過去12カ月でIoTリューションの利用を拡大した」と回答。アジア企業でも検討フェーズから導入・活用フェーズに入っているという。

さらに回答者の91%が「IoTは今後5年間で広い経済に大きな影響を与える」と予測し、セキュリティとプライバシーの懸念が解決されれば利用はもっと拡大するだろうとしている。今後の動向についても、91%が「異業種間の連携によりIoTの共同ソリューションが生み出される」とし、89%が「2022年までにAI(人工知能)と機械学習が一般化するだろう」と見込んでいる。

またレポートでは圧倒的な導入数に加えて、IoTがさらに大規模に展開されることによって結果的にROIにつながっていることを強調。IoT導入によって企業が享受するメリットについては「ビジネスにおける洞察力の向上」、「コストの削減」、「従業員の生産性向上」を挙げている。アジア企業がIoTを導入する狙いについて、「ブランド差別化」(42%)と「市場競争力の改善」(53%)というビジネス上のメリットに対する回答が、欧米に比べて多かった。

企業のセキュリティに対する積極的な取り組みは、障害やビジネスを妨げるものではなく、「企業がさらに多くのことを実現するための自信をあたえてくれるもの」として、企業がビジネスをする上での一つの武器として認識していることが分かった。

またネットワークについて、企業はアプリケーションに応じて固定網から省電力広域ネットワーク(LP-WAN)までの技術を組み合わせて利用する意向を持っている。多くの場合、企業は4つの接続オプションを使っており、なかでも携帯電話とWi-Fiが多く使用されている。一方で、ナローバンドIoT(NB-IoT)などの新しい技術への関心も高まっており、企業全体の28%がNB-IoTや他のLP-WANオプションの活用を検討しているという。