国内ITインフラ、サービス市場は約2兆5千億円

ITの実用において、その基盤はサーバ、ストレージ、ネットワークといったハードウェアと、OSや管理ツールなどのソフトウェアで構成される。それらが近年、所有から利用への波に乗りサービス化、いわゆる「クラウド」へと移っている。

ITインフラストラクチャサービス市場について、IDC Japanは、その国内規模が昨年2兆4,913億円、5年間の年平均成長率(CAGR)1.0%で、'21年には2兆6,235億円になるとの予測を発表した。ITインフラの設計/構築、アウトソーシング、サポート&トレーニング、セキュリティの各領域の影響を定量的に切り出したものだという。

'16年、ITインフラのコンサルティング&インテグレーション市場は、前年比成長率が1.0%。今年以降、成長率は緩やかに低下し、TOKYO2020後の景気の不透明感や、アプリ開発/導入への支出の方が優勢になるだろうこと、クラウド利用拡大により構築案件規模が小さくなることなどからマイナス成長になる。5年間のCAGRは0.1%になると同社はみている。

同アウトソーシング市場は前年比成長率が3.4%と堅調だった。ハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境を含む企業ITインフラ全体の運用管理サポートの需要拡大などによって、今後成長率を緩下降させつつも、ITインフラサービス市場全体を牽引する。CAGRは2.6%と予測。一方、ハードウェア保守等が縮小するサポートサービス市場のCAGRはマイナス1.1%になる。

ITインフラストラクチャでは、セキュリティサービス市場が'前年比成長率4.8%。人工知能などを用いたサイバー攻撃はその規模も拡大していて、ユーザー企業自身では十分なセキュリティ対策を行えない。ゆえに主にマネージドサービスに牽引されて、今後も高い成長率を維持する。CAGRは6.1%だろうという。詳細は、同社のレポートにて確認できる。