公道実験に過半数が賛成、自動運転車の意識調査

三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、インターリスク総研の3社は、2016年度に引き続き「自動運転車および公道実証実験に関する消費者の意識調査」を実施してその結果を公表した。

今回の調査では、10代~70代の男女1,000人を対象にWebによるアンケートを実施。2016年度の調査結果と比較すると、交通事故の減少など引き続き自動運転技術の実用化に期待する声は多く、公道実証実験の実施への賛成者も増加している。一方、自動運転技術・性能・セキュリティに起因する事故などを不安視する声も寄せられた。こうした不安を解消すべく、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は新商品「不正アクセス・車両の欠陥等による事故の被害者救済費用特約」を開発し、2018年1月から販売を開始する。

自動運転技術に対する「期待」としては、「交通事故の減少(72.1%)」に対する期待が最も高く、「高齢者等の移動支援(69.7%)」、「運転負荷の低減(69.0%)」の順に続いた。また2016年度と比較すると「過疎地における公共交機関の代替(61.1%)」の回答が大きく伸びるなど、多くの消費者が自動運転による「交通事故の減少」や「移動支援」の実現を期待しているという結果になった。

自動運転技術に対する「不安」としては、「自動運転システム故障時の暴走・交通事故(67.6%)」に対する不安が最も高く、「サイバー攻撃による暴走・交通事故(67.4%)」、「自動運転システムの不十分な性能による交通事故(65.2%)」の順に続いた。また、2016年度と比較し「交通事故発生時の被害者への補償(60.2%)」の回答も増えていた。こうした不安は、今後、公道実証実験などで安全性が証明されることで解消に向かうと考えられる。また、公道実証実験実施の是非は「賛成」が過半数となった。自動運転の実現に期待を持っていることが伺える。

自動運転技術の実用化における保険会社への期待については、「警察や自動車メーカー等と連携した適切な事故対応」との回答が70.2%と最も多く、次いで「自動運転車に対応した、漏れのない補償内容」と続く結果となった。三井住友海上火災保険は、消費者は確実に補償される制度、仕組みなどを求めており、損害保険業界への期待が大きいことが分かったと説明する。