IoTとAI技術で社会・電力インフラの最適な運用・保全に貢献

三菱電機は、社会・電力インフラ設備の運用・保全業務の効率向上に貢献するIoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)技術を採用した新開発のIoT基盤「INFOPRISM(インフォプリズム)」を活用したサービスを提供開始した。

INFOPRISMは、上下水道や公共施設、道路、河川、鉄道、電力などのインフラ設備における様々なデータの収集や蓄積、可視化を可能にする基盤。「Modbus」「BACnet」などの産業用通信規格に準拠し、広い動作温度特性、高い防塵防滴性を備えた産業用IoTゲートウェイ装置によって屋内外の様々な現場機器からデータを収集する。収集したデータを統一データ形式に変換してクラウド上のデータベースに蓄積。業務内に適した表示形式で可視化する。

また、三菱電機独自のAI技術「Maisart」を活用した分析機能を備え、設備診断・異常兆候を検知して、点検業務の効率化や設備運用・保全計画を最適する。さらに、社会・電力インフラへのサイバー攻撃を物理的にブロックするデータダイオード「MELARROW(メルアロー)」や暗号化通信など、高度なセキュリティー機能を採用。暗号化情報を復号せずに検索できる「暗号化・秘匿検索技術」によって、情報漏えいリスクを低減する。

三菱電機によると、INFOPRISMの適用例は、発電機などの設備保全システム、公共施設などの統合監視システム、上下水道などの設備運用最適化システム、道路・鉄道などの保守業務最適化システム、電力の需給最適化システムなど。

今回、少子高齢化による労働人口の減少に伴う社会インフラにおける熟練運転員・技術者の減少や、「働き方改革」による業務のさらなる効率化の要望に対し、社会・電力インフラ設備の運用・保全業務の効率向上に貢献するIoT基盤を活用したサービスを提供することになったと同社は説明する。