5G通信を活用した仮想テレポーテーションの実証実験

凸版印刷とNTTドコモは、「IoA仮想テレポーテーション」のプロトタイプ実証実験を、NTTドコモが開催する展示イベント「見えてきた、"ちょっと先"の未来 ~5Gが創る未来のライフスタイル~」(2017年11月9日から11日)の出展ブースで公開する。

IoA仮想テレポーテーションは、凸版印刷が東京大学大学院情報学環 暦本研究室とのIoA(Internet of Abilities )共同研究の成果をもとに、2020年の実用化を予定しているNTTドコモの第5世代移動通信方式(以下、5G)の検証環境である5Gトライアルサイト向けに開発したプロトタイプ。

IoA(Internet of Abilities:能力のネットワーク)とは、東京大学大学院情報学環 暦本純一教授が提唱する未来社会基盤で、人間とテクノロジー・AIが一体化し、時間や空間の制約を超えて相互に能力を強化することを実現することを指す。

IoA仮想テレポーテーションによって、例えば高齢者や身体の不自由な方に、家にいながら旅行先にいる家族と一緒に遠隔観光を楽しむといった新たな体験を提供できるようになる。

IoA仮想テレポーテーションでは、遠隔地の分身ロボットに乗り移り、その場所に自分が存在するかのように自由に移動。分身ロボットの曲面ディスプレイに自分の身体が投影され、対面者へ自分の存在を強調する。5Gネットワークにより、高精細かつシームレスな新臨場体験を享受するというもの。

実証実験の場は、分身ロボット、WebRTC、OLED大型伝送ルームなどの要素技術で構成されている。ロボットに取り付けられた360度カメラが周辺の空間情報を収集し、WebRTC技術によりネットワーク経由で会場内に設置した伝送ルームのスクリーンに送られ、ロボット視点の空間情報がリアルタイムに再現される。

また、伝送ルーム内の人物をロボットに搭載されたOLCD曲面ディスプレイに表示することで、伝送ルーム内の人物を仮想的に移動(テレポーテーション)させる。ロボットのいる場所と伝送ルームとの間で双方向のリアルタイムでコミュニケーションでき、高速・大容量の5Gネットワークにより高精細かつシームレスな新臨場体験をユーザーに提供するという。