日本とシカゴでワンストップ投資

近年、コンピュータによる高頻度のアルゴリズム取引が活発になっている。そのため金融機関や投資家から、同取引を支えるしくみ、すなわち各国の取引所間を超高速かつ安定して接続できるICT(情報通信技術)インフラが求められている。

そうした状況を踏まえ、日本取引所グループ(JPX)が運営する東証などの金融市場と、香港やシンガポールの金融市場とを接続するコネクティビティサービスを提供してきたNTT Comはきょう、日米間でも高頻度取引(HFT)などをより俊敏に行えるようにする「JPX-Chicago Co-Location Direct」を発表。今回接続するのは、先物取引をはじめとした多彩なデリバティブ取引を扱う主要取引所が集まっている、シカゴ金融市場のCermakデータセンターだ。

日米間を最短ルートで結ぶNTT Comの海底ケーブル「PC-1」を用いた回線を、多くの金融機関が集積するJPXコロケーションセンター内のPoP(Point of Presence:接続点)に直結する。これにより、両取引所間を業界最小レベルの遅延で結合できた。2国間の金融取引をサポートするという。

「JPX-Chicago Co-Location Direct」では、NTT Comに申込むだけで、JPXコロケーションセンターに加えて、Cermakデータセンター内のクロスコネクトまでワンストップで利用することが可能となり、利用開始までのリードタイムを短縮できるとのこと。

NTT Comは、同コネクティビティサービスの追加により、主要なデリバティブ市場へのアクセスが容易になるとして、日経225先物などの日本株式関連商品を中心に日米両取引所間の取引量の拡大に貢献する構えだ。