昨今、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を利用する現場は増えている。ただモノをつなげるだけでなく、そのしくみで得られた情報を分析して活用し、工程や品質等の「カイゼン」につなげる――を繰り返してこそ、真価が発揮される。
業務効率の向上や新たなビジネス機会の創出などを目指せる。IoT技術を駆使し、安全教育をいっそう進化させる検討を続けてきたという。ヤマト運輸は、ドライブレコーダとデジタルタコグラフ(走行データ自動記録システム)を一体化した通信機能付き新車載端末を、全集配車両約36,000台に順次搭載すると発表。日立製作所と連携し、運行データを幅広く効率的に収集・分析することにより、安全運転教育のさらなる高度化などに向けた取り組みを進めるとした。
「安全第一、営業第二」の理念のもと、人命の尊重を最優先し、常に安全の達成に努めるため、'10年からヤマト運輸独自の車載端末「See-T Navi」を導入。運転状況の見える化を図るとともに、安全指導長がセールスドライバー(SD)へきめ細かな安全教育等に取り組んできた。しくみに今回、新たにつなげる車載端末は、従来デジタルタコグラフで収集していた速度や駐車位置情報などに加え、ドライブレコーダで収集する走行映像やGPSアンテナから得た情報で作成する走行軌跡などの運行データをクラウド基盤へ、通信回線を通じて自動かつリアルタイムに転送・蓄積する。
IoTプラットフォーム「Lumada」の活用で培ったデータ分析ノウハウや、人工知能技術Hitachi AI Technologyなどを組み合わせた基盤により、日立は、ヒヤリハット体験箇所の登録の自動化や運転開始・終了設定の省力化、OTA(Over The Air:無線通信)の対応による車載端末のソフトウェア更新の自動化も実現し、SDがより安全運転に注力できるよう、業務支援するという。