外国人訪問客の困りごとを解決するアプリの実証実験、つくば市

NTT東日本と筑波大学は、情報通信研究機構(NICT)が研究委託する「欧州との連携による公共ビッグデータの利活用基盤に関する研究開発」(BigClouT)の一環として、2017年11月1日から茨城県つくば市において実証実験を実施する。

この実証実験では、BigClouTによる「スマートシティにおける市民の影響力を拡張するビッグデータ・クラウド・IoT融合基盤技術」が、つくば市が取り組む「訪日外国人へのサービス向上」にどのように寄与するかを検証する。

つくば市は国際的な研究都市であることから国際会議などが多く開催され、国内外から多くの研究者が訪れる。また、筑波山地域のジオパーク認定によって、外国人観光客も増加している。しかし訪日外国人の訪問先や滞在時の困りごとについては、現状、把握できておらず、「訪日外国人へのサービス向上」が行政上の課題となっている。

今回の実証実験では、筑波大学が開発した、困りごと報告・解決アプリ「ふくレポ」を用いて、訪日外国人の訪問先および困りごとを収集。困りごとに対する回答や関連するオススメ情報を提供することで、訪日外国人の回遊性の向上や、満足度向上が実現可能か、実証を行う。初回の実証は、2017年11月1日~30日の期間において、つくば駅周辺や筑波山周辺といった外国人が多く訪れる場所を中心に実施する。

各団体の役割は以下の通り。

(1)NTT東日本:BigClouTと実証実験の全体を管理する。また、実証実験の検証結果を、訪日外国人や観光客などへのリアルタイムかつ付加価値の高い情報提供や、スマートシティの実現へ活用する。
(2)筑波大学:BigClouTで研究開発しているデータ分析基盤をベースに、外国人困りごと収集・解決アプリ「ふくレポ」を開発・提供。利用者から収集した様々なデータの分析を行う。
(3)つくば市:実証実験で訪日外国人の困りごと解決や情報配信アプリの効果を検証することで、つくば市の観光・国際会議拠点化へ向けて、訪日外国人の満足度向上を目指す。

今後の展開として、次回の実証では天気や混雑状況などのデータをセンサーで収集し、困りごとへの回答に活用する他、投稿が多い困りごとへの回答やオススメ情報をサイネージ等で配信することを予定している。収集した訪日外国人の訪問先および困りごとデータは、つくば市の「訪日外国人へのサービス向上」に役立てる計画。