外航貨物保険の保険金請求にブロックチェーンを活用

東京海上日動火災保険とNTTデータは、外航貨物海上保険における保険金請求業務へのブロックチェーン技術適用の実証実験を2017年11月から開始する。

外航貨物海上保険における保険金請求では、保険証券が貨物とともに流通するため、必ずしも契約した保険会社が保険金支払業務を行うわけではない。特に海外では、輸入者が現地で事故通知から保険金の受領まで行えるよう、保険会社が提携する海外クレーム代理店が保険金支払いの手続きを行っている。

海外クレーム代理店が保険金支払い手続きを実施する際には、事故報告書、貨物の損傷写真、Invoice(商業送り状)などの貿易関連書類および保険証券を収集する必要があり、さらに保険会社へ補償内容をメール等で確認することが求められる。このため、世界中に点在する貿易関連書類と最新の保険証券の収集を海外クレーム代理店がいかに迅速かつ正確に実施できるかが、迅速な保険金支払い手続きを実現する上での課題となっていた。

東京海上日動保険とNTTデータは、ブロックチェーンを利用した共同実証実験の第二弾として、外航貨物海上保険における保険金請求へのブロックチェーン技術の適用に向けた実証実験を行うことにした。

今回の実証実験では、保険金支払い手続きにおいて必要となる保険証券や事故報告書、貿易関連書類などを電子化してブロックチェーン上に流通させることで、情報の共有をリアルタイム化し、書類ミスの低減や支払い対応の迅速化を検証する。保険金支払い手続きにおいて必要なドキュメントをブロックチェーンにより流通させることで、支払い手続きのスピードや正確性が向上することから、保険金支払い期間の短縮や郵送コストの削減が期待できるという。

具体的には、2016年度に実施した外航貨物保険証券のブロックチェーン化で登録された保険証券を、海外クレーム代理店が参照できるかを検証。また、Invoice(商業送り状)やB/L(船荷証券)に加え、輸入者側の保険金請求に必要なその他の書類についてもブロックチェーン化し、実現可能性を検証する。