ロボットとIoTで高齢者支援サービスを実証

いま日本では、超スマート社会/Society5.0をめざして、産官学でロボティックスやあらゆるモノをネットにつなぐ「IoT」の研究開発および実用化が進んでいる。他方、少子高齢化は急速に進んでいて、2025年には総人口に占める65才以上の高齢者の割合が30%を超えると予測されている。

このような環境の中、高齢者の生活を支援するため、より多岐にわたるサービスが求められているとして――。屋内移動を支援する「寄り添いロボット」の事業化をめざすサンヨーホームズと、IoTプラットフォーム「Lumada」の活用事例を積み上げている日立製作所は、11月より約半年間、高齢者の生活を支援する「見守りサービス」の実証を開始すると発表した。

サンヨーホームズでは、住まいと暮らしにまつわる困りごとの解消を念頭に、「快適空間の創造と退屈しない人生を提案することで顧客満足の向上を図る」という企業理念のもと、総合住生活の提案に長年にわたり取り組んでいる。一方、日立は、長年培ってきたOT(制御・運用技術)とIT(情報技術)のノウハウを活用し、顧客の課題を解決する社会イノベーション事業を推進していて、人々のQoL(生活の質)向上に貢献するソリューションを創出、提供している。そして今回、両社は、これらの経験・ノウハウを生かして、高齢者向けの新たなソリューションを協創するという。

大阪府豊中市の運営施設で行う共同実証では、サンヨーホームズの「寄り添いロボット」と、日立のIoT技術および画像解析システムを活用し、高齢者のさまざまな歩行パターンのデータを蓄積する。歩行パターンを解析して、歩行に関する情報をフィードバックする「見守りサービス」により、高齢者の健康維持、よりアクティブなシニアライフ実現にも役立てるとのこと。

万一転倒したときに大怪我を防ぎ、筋力やバランス力の低下も防ぐ、「寄り添いロボット」の事業化を加速する。