日台協同でオープンな光伝送を目指す

あらゆるモノがネットにつながる。SNS、ビッグデータ、クラウド、人工知能(AI)、スマート・ハウス/ファクトリ/物流/農業、自動運転、そして超スマート社会もインターネットなしには語れず、情報を集約・分析・配信するデータセンタへの依存を強めている。

近年、IT(情報技術)サービス継続性の重要度が高まり、急激かつ多彩な変化への対応が求められている。企業では複数のデータセンタ(DC)を利用したビジネス展開が増えていて、それらDCをつなぐ「データセンタ間光伝送網」はいっそう重要なインフラになっているという。NTTと中華電信研究院は、このインフラにOSS(オープンソースソフトウェア)とホワイトボックススイッチを適用するための共同実験を開始すると発表した。

NTTは、RyuGoBGP、OpenStackプロジェクトで得られたソフトウェア技術力および開発力を持つほか、OCP、TIP等でのコミュニティ活動によってホワイトボックス活用における豊富な知見を保有。運用自動化によるスケーラビリティとアジリティの実現、外部システム連携によるサービスの高度化などを推進してきた。一方、中華電信研究院は、光伝送網のコスト削減、サービスの高度化のためOSSを活用したSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)技術の光伝送網への適用について研究を推進。台湾最大キャリアの傘下企業としてODMベンダに大きな影響力を有しているという。

両社は今回の共同実験において、オープンソース技術を世界で初めてDC間光伝送網に応用し、ネットワークの高度化、コスト削減への有用性を実証する。機械学習基盤など様々な外部システムと光伝送装置をオープンAPIで連携させることにより、装置の光部品の経年劣化の自動検知や、上位IPレイヤと連動したパケットの効率的なルーティングなどを実現――、抜本的な運用省力化/自動化を目指す。