ラグビーをAI分析、サービスと店舗経営に活かす

俊足、小兵、力士ふう、長身、才人、耐え忍ぶ人――いろんな体格や性格の人それぞれに適したポジションがあり、めいめいがその能力を活かして闘う。どちらに転ぶか分からない楕円形のボールを、ゴールに向かって皆がいちずにつないでいく。ラグビー魂は組織運営にも通ずる。

ダイバーシティがあちこちで言われる以前から、"One for All. All for One!"は、ラグビープレイヤーたちの合言葉だった。紳士、いまは淑女もがする「荒くれ者のスポーツ」。そんなラグビーの試合映像を分析し、経営に活用する実験のホイッスルがきょう鳴らされた。

店舗作業の生産性を科学する「店舗オペレーション研究所」を運営し、外国人アルバイトの戦力化など、IoT(モノのインターネット)を活用して「カイゼン」と「繁盛」を提案するトリノ・ガーデンは、その業務の一環として、飲食店オペレーションの「見える化」サービスによる業務効率化に向け、人工知能(AI)技術を用いて店員の行動を自動分析する実証実験を行う――と、あなたを想うAI「RECAIUS™」等を提供する東芝デジタルソリューションズが発表した。

飲食店コンサルでは従来、テーブルタッチ回数等をKPI(重要業績評価指標)にしてデータを測定し、可視化することで、店舗経営者らによる業務改善施策の検討・意思決定をサポート。店舗内の状況を目視確認し、手動分析するため、多大な時間と労力を要した。

今回の実証実験では、AIで実現したラグビーゲーム映像分析技術を応用――。店舗映像から店員行動の切出し・分類・タグ付けを行い、テーブルタッチ回数の自動集計を実現することにより、意志決定に必要な情報を簡単に把握でき、改善施策の立案・検証を実施しやすくなるという。

東芝は今後、多様なデータによって行動分析・抽出技術を高め、業界をまたぐ知識等をAIに取り入れ、「未来型」店舗経営ソリューションを展開していく構えだ。