電子の眼がさらに進化

それは昨今もっともホットである。デジタルカメラやビデオの普及期にその中身も知らずに「シシーディーだから凄い」と言い、21世紀になって「シーモスだから凄いんだ」なんて言っていた人も今、さまざまなところで、それに見られ、それに守られ、それを使っている。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」、自動運転時代に突入し、ますます活用場面が増える。撮像素子、光を電気信号に変えるCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサは、CCD(電荷結合デバイス)よりも安価で大量生産できるために、カメラ付携帯電話(いまスマホ)とともに急速に出荷量を伸ばした。が、CCDに比べて低照度環境や高速で動くモノに弱いといった課題を抱えていて、各メーカーがそれらの改善を競っている。

コネクティッドカー(つながる車)の眼となるのに光量等で性能が左右されるなんて、と恐れるなかれ――。半導体ベース・ソリューションのリーディング・サプライヤーであるオン・セミコンダクターが、1936H x 1188Vのアクティブ・ピクセルアレイを備えた新製品、1/2.7インチの2.3メガピクセルCMOSイメージセンサ「AR0239」を発表。リニアモードで完全なHiSPi/MiPi互換HD画像を提供する。

AR0239は、優れた低照度性能、安定した近赤外線(NIR)、高い量子効率(QE)、三重露光のハイダイナミックレンジ撮像能力などを有する。同社DR-Pix™技術を採用した、改良型NIRプロセスを備える高感度の3μm x 3μm裏面照射ピクセルにより、従来比で感度が21%、QEが10%向上。高照度や低照度といった厳しい状況でも、非常に鮮明なデジタルイメージを生み出す。

耐熱性、耐湿性にも優れていて、連続動画の撮影と単一フレームの撮像能力と併せて、防犯・監視システム、ボディカメラ、ドライブレコーダなど多くの適用領域で理想的な選択肢になるとのことだ。