AI活用で手書き帳票の文字認識率を向上、キャノンMJ

キヤノンマーケティングジャパンとCogent Labsは、AI(人工知能)を活用した手書きOCR(光学文字認識)分野で協業し「手書き AI OCRソリューション」を2017年11月から提供開始する。

このサービスは、Cogent LabsのAIを活用した手書き文字デジタル化サービス「Tegaki」とキヤノンの画像処理技術によるOCR開発キット「Rosetta-Stone-Components」を連携させ、活字と同様に手書き文字も高精度に自動認識させることで、紙文書からのエントリー業務全体の効率化と業務品質の向上を図るというもの。

キヤノンマーケティングジャパンによると、従来の手書き帳票は、文字を認識する際に筆跡や罫線、傾斜、背景色などがノイズになり実用化が難しいケースが多々あったという。
手書き AI OCRソリューションは、Rosetta-Stone-Componentsの画像補正や文字認識技術により前処理を行い、読み取りやすい画像を作成した上でTegakiを活用。自動認識が難しい手書き文字を素早く高精度にデータ化して必要な情報を抽出する。

Tegakiは文脈から文字を認識する独自開発のAI技術でデータを処理し、ディープラーニングで学習させることで読み取り精度の継続的な向上を可能にする。実証実験でも手書き文字の自動認識率を大幅にアップすることに成功した。

また、キヤノンマーケティングジャパンは、このサービスと確認や修正作業の手戻りを効率化する「定型・非定型OCRソリューション」を組み合わせたり、業務システムと連携させるなどユーザーの要望に合わせたシステムを構築する。

手書きAI OCRサービスの初期費用は個別見積もり、Tegakiの利用料金は、月額20万円からとなっている。

Cogent Labsは、今後、多数の事例を基にTegakiの読み取り精度をさらに高め、企業のエントリー業務全体の効率化を支援する。一方、キヤノンマーケティングジャパンは、入力から保管、検索、帳票出力までのトータルドキュメントソリューションに加え、業務プロセスを管理するBPMや作業を自動実行させるRPA、ドキュメントに関する各種コンサルティング、BPOなどを組み合わせてユーザーの業務プロセスの変革を支援する。