AIにて中小企業のビジネスマッチング

その数380万――。巨大財閥企業の稼ぎがGDPの過半を占める国から来た人が、日本の底力は中小企業にあると見抜いた。しかし実際は、優れた技術を持っていてもそれを十分活かせずにいる中小企業も多い。経営者の高齢化による事業継承なども課題だ。

経済産業省 中小企業庁が4月に発表した「2017年版中小企業白書 概要」にはさまざまな課題が挙げられている。

それらをまとめて端的に言えば、「儲かるビジネスにすればすべて解決する」となる。この国には、"寄らば大樹の蔭"を家訓のようにしている人たちが多いけれど、志を持った若者たちもいる。志、そして技術を集めて、「元気玉」のようにすれば、強大なエネルギーを持つはずだ。

そこで近年、中小企業の成長を支援し、地域経済の活性化につなげる取り組みとして、多くの公的機関や地域金融機関、法人がビジネスマッチングサービスを推進している。一方で、企業ニーズを的確に把握し、最適なマッチング候補を選び出すためには、ビジネスマッチング担当者に多くの経験やスキルが必要になるという。NTTデータは、京都銀行と共同で、ビジネスマッチングサービスの高度化に向けた人工知能(AI)活用実証実験を来月1日より開始する。

両社は、中小企業への支援業務において、京都銀行のマッチング活動実績データとNTTグループのAI技術「corevo®」を用い、最適なマッチング候補の抽出可能性を検証。ビジネスマッチング担当者の経験やスキルをAIが補完できるようにすることで、マッチング品質の標準化を図り、商談設定件数の増加および商談成約率の向上を目指す。

実施期間は来年3月末日までで、① 企業ニーズに含まれる「用語」や「文」をAIが解析し、意味の近い概念を有するマッチング候補を抽出、② ビジネスマッチング活動実績データに基づきAIが成功要因を分析し、最適なマッチング候補をランキング――の2点を検証するとのことだ。